YouTube企業案件でのステマ、炎上を避けるには

最終更新: 6月22日



2012年に発覚したペニオク騒動から8年が経過したいまでもネットでのプロモーションで、「ステマ」「炎上」は頻繁にニュースで流れますが、YouTubeの企業案件でそれを避けるにはどうしたらいいのでしょうか?

またYouTube業界のステマに対するトレンドはどうなっているのでしょうか?



実際にクライアントから「できれば宣伝色がでないようにできないか?」と依頼されることは正直なところ少なくありません。

もちろん、消費者側に宣伝であることが分かるとその効果は当然下がってしまうのでその意向は理解できるのですが、実際にはハイリスクローリターンであることが多いのです。


ではその理由を見ていきましょう。


目次

  1. ステマの定義の確認

  2. 法的な問題とそれ以外での問題

  3. 2020年版のYouTube企業案件でのトレンド

  4. ステマは意外と簡単に避けることができる

  5. ステマではないがYouTuberが企業案件で炎上してしまう例



1.ステマの定義の確認

ステマとは「ステルスマーケティング」の略で、この記事では狭義で


企業から金銭的、商品提供などの報酬を受け取っているにもかかわらず、それを消費者にばれないように(≒ステルス)、宣伝、プロモーションをすること(≒マーケティング)


という意味です。


芸能人やインフルエンサーが企業から提供を受けているのにそれを表記せず、おすすめして購入をうながすような行為が代表的です。



(ステルス戦闘機のステルスも同じ意味)



2.法的な問題とそれ以外での問題

このような消費者を「だます」ステマへの法規制はどうなっているのでしょうか?


実は日本ではステマを直接的に規制する法律はないのです。しかし該当する可能性がある法律が「不当景品類及び不当表示防止法」いわゆる景品表示法です。景品表示法は、不正な表示で顧客を誘引して、自主的合理的な判断を阻害することを防止する法律です。


今回のステマがこれに該当するには


①不当な表示であること

優良誤認表示または有利誤認表示であること


が必要です。


実際に景品表示法第5条第1,2号を参照すると


・優良誤認とは

(1)実際のものよりも著しく優良であると示すもの

(2)事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの


・有利誤認とは

(1)実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの

(2)競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの


と定義されています。つまりあまり良くない商品を「これはとても便利!!」とか、特に安いわけではないものを「めちゃくちゃお得です!」などと宣伝することが違法になる可能性があるということです。(ステマの場合は優良誤認がメインになります。)

しかし景表法違反にならなくても、違反より大きいマイナスを受けてしまうことの方が多いです。


それは、視聴者にステマとばれて炎上してしまうことです。

今の時代ではSNSですぐに情報が拡散してしまい、宣伝する側からしたらほんのささいなこと(だと思っていたこと)でも炎上してしまうこともあるのです。



3.2020年版のYouTube企業案件でのトレンド

「法律違反になることよりステマ炎上することのリスクのほうが大きい」と先述しましたが、炎上することでマイナスを受けるのは当然YouTuberでもあります。


これに対して大手YouTuber事務所は企業案件のガイドラインを定めるなどしています。

たとえば最大手UUUMでは2019年にこのように動画内や概要欄(説明欄)で、表示の秒数、場所を詳しく決めたガイドラインを再訂しました。


そして現在では、大手事務所の動きにより、無所属のYouTuberも提供表示をつけることがあたりまえになってきました。(これには視聴者の「案件慣れ」もあり、一時期ほど宣伝行為に対する批判コメントが少なくなってきたこともあります。)


逆にいうと提供表示をつけていれば特に問題はないということが言えます。




4.ステマは意外と簡単に避けることができる

このように現状では、提供:〇〇などとしっかり表記してもらうことが、ステマ炎上への一番の策となります。


YouTuberに依頼する企業側としては以下の二つを念のため確認、お願いするべきでしょう。


①動画の初めの何秒かに、企業のロゴをふくめた提供表示をしてほしい


②動画の説明欄に、提供:〇〇と表示し、その次に会社(またはサービス)のURLを貼ってほしい



これさえすればステマ炎上に関してはまちがいなく避けることができます。

万が一YouTuber側がそれを嫌がったとしても、しっかりと事前に主張することが大切です。



5.ステマではないが企業案件で炎上してしまう例

最後に実はありがちな、提供表示がないのに炎上してしまう2つのパターンについて紹介しておきます。


①高金利、虚偽の効果を謳った商品の紹介

②過剰にクライアントサイドによった宣伝


などがあります。広報担当者がYouTuberを起用したPRを行う際に気を付けるべきは②でしょう。

やはり自社の商品、サービスのいいところばかりを強調してほしいという意見をYouTuberが汲みすぎると、ただの宣伝で面白くない動画になり、最悪の場合炎上してしまいます。


つねに視聴者のことが考えながら動画を作っているYouTuber本人が一番視聴者の行動を読めるので、ある程度おまかせで、その人の個性を生かした動画を作ってもらうのがベストでしょう。クライアントが、ああしてほしい、こうしてほしいと言っても動画がよくなければ視聴者は動きません。



6.まとめ

結論として、YouTubeでの企業案件でのステマに関しては百害あって一利なしとまでは言えませんが、そのリスクに見合わないことの方が多いです。

しっかりと提供表示をするだけでそれを避けられるので、それをする以外ないでしょう。


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